慈恵の看護学科を知る

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学科長メッセージ

本学科は、学祖高木の「医師と看護婦(師)は車の両輪の如し」という考えを引き継いで、平成4年(1992)に医学部の中に開設され、今年で25年目を迎えます。医療の現場において医師と看護師が「車の両輪」であるためには、学生時代から共に学び共に考える場を体験することによって相互理解を深めることが重要です。

そのために本学看護学科では医学科との共修科目を重視するとともに、少人数教育でグループワークや演習形式を多く取り入れた教育を実践しています。またeラーニングやeポートフォリオなどのICTを活用することや、大学附属の4病院から強力な実習協力を得ることができるという恵まれた環境で、学生1人ひとりの個性と能力に応じたきめ細かい教育を行っています。多くの卒業生たちは、医療の現場において、学生時代にともに学んだ医学科の卒業生たちと、良きパートナーとして質の高いチーム医療を実践しています。

少子高齢化が進む日本の社会において、看護師の活躍の場は拡大し多様化しています。海外を含むさまざまな場所で活躍する看護師・保健師・助産師、専門性を極めた高度実践看護師、後輩の育成にあたる看護教育者、管理者、研究者など、看護師には多くの可能性が開けています。本学でその礎となる確かな看護実践能力の育成に力を入れています。 本学の建学の精神と教育理念を十分に理解し、優れた看護実践者になるために必要な基礎知識・技術を主体的かつ積極的に学ぶ姿勢と、4年間の学生生活を乗り切る強い意志を持った学生を求めています。

東京慈恵会医科大学 医学部
看護学科長 北 素子

慈恵医大看護学科 6つの魅力

01

看護教育130年の伝統

東京慈恵会医科大学医学部看護学科の前身は、明治18年(1885年)に、日本初の看護教育機関として設立された有志共立東京病院看護婦教育所であり、日本で最初に看護師の教育を始めた大学です。

以来、「病気を診ずして 病人を診よ」という患者本位の姿勢を建学の精神とし、歴史ある慈恵の看護教育の流れの中で「医師と看護婦(師)は車の両輪の如し」という学祖・高木兼寛の信念を受け継いで、看護学科は平成4年(1992年)に開設されました。

  • 日本初の看護教育機関
    130年の看護師教育
  • 心に残る、伝統ある行事も大切に
F棟-かつてのナイチンゲール病棟の外観が
そのままいかされています

02

慈恵のスピリットが根づく「チーム支援」が学べる環境

本学では1年生の早い時期から、看護師のみならず医師・薬剤師・栄養士・臨床検査技師など、将来同じ医療現場でパートナーとして働く様々な医療職種に触れる実習があります。

4年間を通して、地域医療連携能力や問題解決能力を養いながら、実際の現場において看護の対象である人々をチームで支援する経験を重ねていきます。

  • 医学生と看護学生が“両輪”
    のように、将来に向けて学ぶ

「医師と看護婦(師)は車の両輪の如し」という学祖の考えを反映し、大学設立当初からチームで支援するという姿勢を大切にしています。

  • 医学部の中に看護学科が設置されています
  • 医学科の学生との共修科目を多く取り入れています

03

少人数制できめ細かな教育

際立った少人数制

1学年定員60名に対して、専任教員が40名という少人数での教育を行っています。グループワークや演習形式を多く取り入れており、自ら考え実践する体験を通し看護実践能力を身につけていきます。

国際感覚を育む、密度の濃い外国語教育

いま医療現場では、多様な文化的バックグラウンドを持つ患者さんのケアや、多国籍の医療パートナーと働く機会が増えています。また、国際的な医療現場で活躍できる人材の活躍ものぞまれます。
本学は、1・2年次では通年にわたって、少人数制かつグループワークを活用した外国語学習の授業が設けられており、充実した語学教育を受けることができます。

学生生活アドバイザー制度

1・2年生には、5~6名に対して1名の教員が学生生活アドバイザーとなり、皆さんのサポートにあたります。


04

充実した学修環境

4つの附属病院はじめ地域の多種多様な医療機関で実習が経験できるなど充実した臨地実習プログラムが本学の特徴ですが、そのほかにも、4年間一貫して学生の成長をうながす効果的な学修の仕組みがもうけられています。

2年生から4年生まで、進級した4月には学修の到達度を確認する「科目横断総合試験」が実施されます。その結果をふまえて「リフレクション」(振り返り)を行うことで、各自が1年後ごとにVision(将来像)・Goal(目標)を見直し、学年の始まりにのぞみます。
リフレクションには、個々人の学修の成果が蓄積される「e-ポートフォリオシステム 」を活用します。

一人ひとりが自分のめざす看護師像に向かって確実に進んでいくことのできる、充実した学びの環境です。

  • 科目横断総合試験とリフレクション(振り返り)で学習到達度を確認
  • E-ポートフォリオシステムで
    Vision(将来像)・Goal(目標)の見直し
  • 4つの附属病院と多様な医療現場での実習
附属病院(本院)
葛飾医療センター
第三病院
柏病院

学生一人ひとりの主体的な学びを支援する「e-ポートフォリオシステム」

優れた看護実践者になるためには、必要な基礎知識・技術を主体的かつ積極的に学ぶ姿勢が欠かせません。本学では、自分でVision(将来像)とGoal(目標)を描き、学修するなかで獲得した情報、自分の変化や成果を、一元化した学びのファイルとしてサーバに蓄積し管理する「e-ポートフォリオシステム」を活用しています。
学生は、いつでも、どこでも、そして繰り返し、自分の成長過程や学びの過程を確認できます。学修のサイクルを回すことで、自分の目標や獲得したい能力をめざして、自律的な学びを促進することができます。

※看護学科のe-Portfolioシステムは、一般社団法人e-Learning Initiative Japanが主催する日本eLearning Awardsにおいて、2015年に第11回部門賞を受賞しています。

05

国家試験(看護師・保健師)合格率の高さ

本学の卒業時には、看護師国家試験受験資格、保健師国家試験受験資格(選択者のみ)を取得することができます。
国家試験では看護師・保健師とも、例年ほぼ100%の合格率を達成しています。

  • 学生主体の国家試験対策でみんなで合格をめざします
  • 1年ごとの「科目横断総合試験」で着実に知識が定着します

看護師・保健師国家試験の高い合格率

看護師国家試験合格率
全国平均 90.4% (2021年)
保健師国家試験合格率
全国平均 94.3% (2021年)

06

専門性を高める大学院教育

博士前期課程

卒業後には、より高度な専門性を身に付けることをめざして、大学院の博士前期課程に進む選択肢もあります。
本学の医学研究科看護学専攻博士前期課程では、高度な看護実践能力に加えて、研究・教育能力を持つ看護実践者や、臨床現場のリーダーとなれる者、看護の教育者となる人材の育成をめざしています。看護の専門知識を深め技能を高めるとともに、変化する社会要請や医療を取り巻く諸問題に適切に対応できる能力を磨きます。

また、医療に関わる人間関係のトータルケアのプロフェッショナルである高度実践看護師(専門看護師)をめざすこともできます。

以下の3つの領域については、それぞれ専門看護師の認定審査受験資格を取得できる課程が設けられています。

クリティカルケア看護学領域
取得受験資格
急性・重症患者看護
がん看護学領域
取得受験資格
がん看護
在宅看護学領域
取得受験資格
在宅看護
小児看護学領域
取得受験資格
小児看護

博士後期課程

2019年度から、本大学院には博士後期課程が開設されました。
博士前期課程を修了後、博士後期課程で専門性をさらに追究し、看護実践の質向上を目指して研究的取り組みを継続できる高度な研究能力や教育能力、看護実践の開発者として組織を変革できる管理能力を培うことができます。


看護学科のあゆみ

1991年12月、優れた看護を実践できる看護師の育成をめざして医学部に看護学科を設置

平成3年(1991)12月、医学部看護学科の設置が日本で初めて認可されました。
看護学科の設立は“慈恵の阿部”として看護の世界で広く名を知られていた阿部正和学長の悲願であり、「医師と看護婦は車の両輪の如し」と語った高木兼寛の理想でもあります。だからこそ前例のない、医学部の中に看護学科を設置するということが重要でした。
しかし、当然課題も多く、なかでも最大の難関は人材という壁でした。
設置準備委員会の委員長だった馬詰良樹教授にとって、看護学科を設置するために必要な業績のある教授が少ないことが、悩みの種であり、もっとも慈恵にふさわしい人ということで白羽の矢が立ったのが、初代学科長となる吉武香代子でした。

臨床看護を愛する人たちで教員の陣容を構成

昭和63年(1988)5月12日当時、吉武は千葉大学看護学部長であり、学部長になって1期2年目を迎えていました。
当初申し出を固辞していた吉武だったが、「少人数制で看護婦を育てたい」という慈恵の方針に共感し、準備室長に就任しました。
その後は吉武を中心に、教授以下の教員の人選が進められ、平成3年(1991)5月22日の馬詰教授の教員人事の報告には、建学の精神を重要視して、臨床看護を愛する人たちで構成した陣容であることが熱く語られていました。
第1回の入学試験には333人の応募があり、翌平成4年4月には31人の第1期生を迎えます。
教員たちは、大学教育を軌道に乗せるために一致協力して教育にあたりました。
その後、大学院設置の準備に取りかかり、平 成21年(2009)4月に、大学院医学研究科看護学専攻修士課程を開講しています。

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